MF欠畑魁星(盛岡商業/3年)写真=森田将義
MF欠畑魁星(盛岡商業/3年)
日本一の優勝経験を持つ盛岡商業だが、選手権への出場は2011年以来果たせていない。今年は元ベガルタ仙台の中田洋介監督が就任し、3年目を迎える勝負の年。3年生は、名門復活を託された指揮官の下でみっちり鍛えられてきたため、期待値は高い。前線で身体を張れるFW村上絢太(3年)、切れ味鋭いドリブルでサイドから見せ場を作るMF佐藤航(3年)と特徴を持った選手が揃う中でも、目を惹くのはボランチのMF欠畑魁星(3年)。中田洋介監督が「欠畑がボールを持つことで攻撃のリズムが生まれる。決定機的なスルーパスも出せるのでうちの武器」が評する通り、今年のチームの生命線と言える存在だ。目標とするのは川崎フロンターレのMF大島遼太。「点も決められるし、仕上げのラストパスも出せる部分に憧れる。大島選手はタッチ数が少ないのも魅力。トラップで相手をかわしたりできる所も好きです」。
1年目からAチームの試合に絡んできた欠畑の経験値は今年のチームで群を抜く。今年は得意とする中盤でのゲームメイクに加え、「昨年はあまり上がらず中盤の底でゲームをコントロールしようと思っていた。点を獲るFWがいたので自分が前に出なくても良かったけど、今年は決定力が不足しているので自分がいかに攻撃に絡めるか、2列目から走れるかが大事だと思っています」と得点への意識が増した。尚志高に挑んだスーパープリンス東北の一戦でも、ゴールこそ奪えなかったが、積極的に前線に顔を出し、チャンスを演出した。彼が躍動する回数が増えれば、自ずとゴールの数も増える。選手権予選でも持ち味を発揮できれば、盛岡商業が本来いなければならない選手権への復帰もついてくるはずだ。