MF小村和世(東海大付属大阪仰星/3年)写真=森田将義

MF小村和世(東海大付属大阪仰星/3年)
 “ザ・高校サッカー”といった攻守両面でアグレッシブな姿勢を前面に押し出す東海大付属大阪仰星でも、ひと際目を惹くのがMF小村和世のハツラツとしたプレーだ。「自分のストロングポイントは前への推進力や裏への抜け出し」と話すアタッカーで相手のわずかな隙を突いて、思い切りの良い飛び出しを何度も繰り返す。そして、何より高い位置でのボール奪取を積極的に狙いに行く姿勢が魅力で、彼の勇猛果敢なプレーはチームに勢いを与えているのは間違いない。

 6歳上、兄の和丸さんも東海大付属大阪仰星でプレー。「お兄ちゃんがサッカーの面だけでなく、人間性も成長していくのを間近で見ていたのが大きかった。仰星に入ってからは食生活まで意識するようになったし、家に帰ってからランニングするようになった。親に”ありがとう”と素直に感謝の言葉を言えるようになるのを見て、僕も仰星に入ろうと思った」。中学時代に所属したガンバ大阪門真ではスタメンを獲れずにいたが、高校進学後は自らに足りない部分を素直に認め、自主練で足元の技術を磨き続けてきた。そうしたサッカーと真摯に向き合うメンタルの部分は、選手を手放しで褒めない中務雅之監督も認めている。

 和丸さんは高校1年生の時に選手権のメンバー入りを果たしたが、全国のピッチに立てなかった。今度は弟が、兄が果たせなかった夢を叶える番だ。激戦区・大阪の予選を勝ち抜くのは決して簡単ではないが、彼がアグレッシブなスタイルを貫くことができれば決して不可能な目標ではない。

(文・写真=森田将義)