DF大原瑠衣斗(玉野光南/3年)写真=森田将義

DF大原瑠衣斗(玉野光南/3年)
 昨年までは展開力が売りのボランチだったが、今年に入ってからは主力の怪我により、センターバックにコンバート。これまで経験したことがないポジションに最初は戸惑いもあったが、「ボランチでも守備的なタイプだったので、これまでの経験が活かせている」と縦パスに対する出足の鋭い守備で、玉野光南の守備を引き締める。右利きではあるが、中学時代に左SBを務めていたため、左足も卒なく扱えるのも強みだ。

 3年生になってから、フィジカル面を鍛えようと新型コロナの自粛期間中に肉体改造に着手し、体重が4kgもアップ。逞しくなった上半身を活かし、対人守備の力強さが増した。一方で、最終学年ならではの悩みもある。「周りの先輩たちに助けてもらいながらプレーしていたけど、いざ自分が一番上に立ったら自分が成長しながら、周りを活かさないといけない。最初は自分も頑張りながら、チームメイトも頑張らせるのに戸惑った」。「話すのが得意ではない」と自己分析するタイプであるため、未だに四苦八苦を続けるが、最後の晴れ舞台である選手権予選はこれから佳境を迎える。チームを全国に導くため、誰よりも早く練習に顔を出すなど、頑張る背中を見せることで牽引しているという。

 2月に行われた県の新人大会で頂点に立つなど、今年の玉南光南は全国への挑戦権を掴めるポテンシャルを持ったチームであるのは確か。後は「1対1で最後まで粘り強く戦い、チームを動かせるDFを目指している」と話す大原の奮闘が鍵を握っている。

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