大津MF稲田翼(写真=森田将義)

 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023勢が5チームも揃うBゾーンは歴代でも屈指の激戦区かもしれない。2年連続で国立行きを果たす大津はシードとして2回戦からの登場。今季はDF田辺幸久(3年)、MF古川大地(3年)とサイドに実力者が揃い、水戸内定MF碇明日麻(3年)など大型選手を活用しやすいチームになっている。夏以降はMF稲田翼(3年)がエースとして独り立ちした影響も大きい。「走りまくるというか、自分が動きまくってかき乱す。空いた隙にボランチや明日麻が出て行くことを徹底した」。そう話す彼を起点とした多彩な攻撃は簡単には止められない。GK浅沼英志(3年)、DF畠山哉人(3年)、MF昆野翔太(3年)と縦のラインに実力が揃う遠野(岩手)との初戦は要注目だ。

 大津が本命と言いたい所だが、隣にも注目校が並ぶのがこのゾーンの難しさ。MF長準喜(3年)、土谷飛雅(3年)、大谷湊斗(2年) といった昨年の経験者を中心にテクニカルなサッカーを展開する昌平(埼玉)は上位を狙えるだけの好チームだ。ただ、初戦で当たる奈良育英(奈良)は厄介な相手であるのは間違いない。インターハイは「テクニックから選手が多くて、引いてしまうと簡単にやれてしまうので前から行こうと意識していた」(DF奥村央樹、3年)という戦いが機能。敗れはしたが日大藤沢(神奈川)をPK戦まで持ち込んだ。冬も戦いを再現できれば勝機は見える。

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▽第102回全国高校サッカー選手権
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