ーーサッカービジネスに足を踏み入れるきっかけは何だったのでしょうか。

そんな僕が初めて就職した先はベトナム。アメリカに直接行くのは英語力的にも難しいと当時判断して、まずはアジアで経験を積もうと思って、そこで初めてビジネスを学びました。その後、一年の時を経て、ベトナムからシンガポールの会社へ転職しました。

シンガポールの会社に入社してから、「アメリカに行きたい」と言い続けて4年。やっとアメリカに転勤となって、夢のアメリカへ仕事の舞台を移すことになりました。

でも実際にアメリカに行ってみると、コスモポリタン都市国家シンガポールをベースに世界中を仕事やプライベートで回った私は、もはや学生時代の盲目的なアメリカラブの学生ではなく国際人になっていたので、「アメリカはアメリカしすぎ」で「シンガポールなどの方がもっとオープンでグローバルじゃないか」と思ってしまったわけです(笑)。

そんなことを思ってモヤモヤしている時に、2002年の日韓共同開催のワールドカップがあった。アジアとアメリカ時代の友達と一緒に日本にワールドカップ観に行ったのですが、もう本当に最高でした。英語の話せない日本人と私が海外から連れて行った外国人の友人たちが、ボディラングエッジと片言英語でなんとかコミュニケーションをとり、国際交流が促進されている。そして経済的なインパクトも大きい。何よりも、たかだかサッカーのW杯がきただけで、バブル崩壊以降、元気のなかった日本が、一瞬で活気づいたのには感動しました。「日本にもう一度ワールドカップをもってきて、日本代表が初優勝するのをみたい!」と、完全にスイッチが入りました。その時の想いが今のサッカービジネスのキャリアを作っていますね。

ーー次回、世界のスポーツビジネス最前線で活躍する岡部氏に、世界のスポーツビジネス最前線で働くことについて掘り下げていく。

(取材=編集部 写真=岡部恭英氏提供)

岡部恭英氏Twitter:https://twitter.com/yasuokabe
岡部恭英氏Webセミナー
4月末に500名以上の聴講者を迎えて開催した『HALF TIMEカンファレンス2020』が第二弾としてさらなる豪華スピーカーを招き、6月30日と7月1日にオンラインで再び開催。前回に引き続き欧米・アジアからをグローバル・スポーツビジネスのリーダー陣を迎え2日間にわたるインタラクティブなディスカッションを実施します。
岡部恭英氏Webセミナー