九州産業大学サッカー部(写真提供=九州産業大学サッカー部)
――指導した中で印象に残っている選手などはいますでしょうか?
近いところでいえば齊藤諒(いわてグルージャ盛岡)ですね。ちょうど彼が入学してきたのと私が入ってきたのが同じ時期で、1年生の時から試合で使ってきました。もちろん彼以外の選手もプロにしたいという思いはありますが、彼もプロに送り出したいという思いもあり、あまり調子が良くない時でも試合で使ってきたんです。Jのチームから興味を持たれていた中、いわてグルージャからさんから声をかけていただきました。
彼も自分から「伸びていこう」という力が強かったし、大事な試合で点を取ったりすることができた選手でした。彼とはキャプテンと監督という立場でコミュニケーションも結構取っていました。もちろん厳しく指導する場面もありましたが、彼自身は驕ったところもなく、すごく謙虚で、自分がプロになるためには何が重要なのかということを常に考えながらやっていた選手でした。彼を見ていると、やっぱりプロになる選手というのは、自分自身で伸びていく力が強くないといけないなと改めて感じました。
他にも例えば柏レイソルでキャプテンをやっている大谷秀和などは、私が柏レイソルのアカデミーで見ていた選手で、キャプテンシーも強く、伸びていこうとする意思も強かったですね。頭も良く、非常にインテリジェンスを感じる選手でした。
個人的な考えですが、プロと呼べる選手というのは10年以上プレーすることができて初めて“プロ”と呼べるかなと思っているんですけれども、彼は本当に“10年選手”だと思っています。大谷選手はトップチームに上がってからチャンスを掴んで、37歳になった今でも活躍していますし、また本田圭佑とは彼が高校2年生の時に会ったんですけれども、そういう一流選手は謙虚や向上心という部分を持っているなと感じさせられました。
SVホルンで出会った権田修一も、名古屋グランパスエイトで出会った楢崎正剛もチームを背負っている、チームを勝たせる選手というのは、やはりそういう一流の部分を持っていると思いますね。
次回は九州産業大学サッカー部のセールスポイントなどについての話を紹介する。