九州産業大学サッカー部・濵吉正則監督(写真提供=九州産業大学サッカー部)
九州大学サッカー界の強豪、九州産業大学サッカー部。チームを率いるのはヨーロッパのトップチームでも監督に就任可能な「UEFAプロ」を取得、日本人としては初めてのヨーロッパ・プロリーグの監督を務めた濵吉正則監督だ。ヨーロッパのトップチームでサッカーを学び、Jリーグでもトップチームからアカデミーまで指導経験豊富な濵吉監督に、チームの構成や九州産業大学サッカー部が目指しているサッカーなどについて話をうかがった。
――チームの部員数やカテゴリー構成はどうなっているのでしょうか?
チームは毎年だいたい100名ほどで構成されていて、3カテゴリー、細かく言うと4カテゴリーに分かれています。
――九州産業大学が目指しているサッカーとはどういったスタイルでしょうか?
自分たちがイニシアチブを持って攻撃的に仕掛けていく。攻撃においても守備においても自分たちが主導権を握ったサッカーをしていくということです。
――スカウティングやセレクションの際に重視していることを教えていただけますでしょうか?
「日本全国」と言うと大げさですが、結構各地に行っています。中心は九州ですが、獲得競争も厳しく、関西、東海、関東などまで広げながら、幅広くスカウティングしながら絞っていっています。
選手をチェックする際に重視していることでまずはいちばん重要なのは人間性の部分ですね。人間性であったり社会性のところはいちばんのベースです。練習や試合をチェックする他、実際にウチ(九州産業大学)の練習に入れて、例えば声をかけた時にどういう反応をするか、どういう振る舞いをするのかを見ます。
もちろんサッカー選手としての能力もチェックしますが、能力と言っても自分たちのスタイルに合うか合わないかが重要なんです。極端なことを言えば全国優勝したチームの選手でも合わない選手は要りません。なので、ウチで力を出していける選手かどうかを重視し、チームの補強ポジションに合致するかどうかを確認して選考していきます。
あとは「覚悟」があるかどうかです。ウチでサッカーをやりたいかどうか。4年間ウチでやり抜くという強い意志がないと続かないと思っているんです。プロテストを受けてダメだったから大学でサッカーをやるという子も多いんです。その際に、もう一回そこから4年間頑張れる強い意志がないと難しい。「俺はJリーグのプロテストに行ったんだよ」とか「俺はプロに行けたんだよ」というような考えを捨てきれないと。一回りセットして、4年間何がなんでもやり抜くという覚悟を含めてのスカウティングだと思っています。