九州産業大学サッカー部・濵吉正則監督(写真提供=九州産業大学サッカー部)

 九州大学サッカー界の強豪、九州産業大学サッカー部。チームを率いるのはヨーロッパのトップチームでも監督に就任可能な「UEFAプロ」を取得、日本人としては初めてのヨーロッパ・プロリーグの監督を務めた濵吉正則監督だ。ヨーロッパのトップチームでサッカーを学び、Jリーグでもトップチームからアカデミーまで指導経験豊富な濵吉監督に、指導者を目指したきっかけや、指導者として大切にしていることなどについて話をうかがった。

――まず濵吉監督のご経歴を教えていただけますでしょうか?

 大阪体育大学卒業後、スロベニア共和国に4年間留学していました。当時のスロベニア代表監督であるズデンコ・ベルデニック監督のもとで学びながら、現地で大学に通ってライセンスも取得して、現地の育成年代とトップチームの監督・コーチをしながらスロベニア代表チームにも帯同していました。

 1999年に帰国してからは、常葉橘のヘッドコーチを務め、2000年に柏レイソルU-18の監督に就任し3年間を務めた後、2003年から名古屋グランパスエイトのトップチームコーチ、U15監督、2008年から2010年まで徳島ヴォルティス、2011年から2012年までギラヴァンツ北九州でコーチを務めました。

 2013年は大宮アルディージャでズデンコ・ベルデニック監督の通訳を務め、2014年には静岡市内でサッカースクール「HAMAサッカー塾」を開校し、静岡北のコーチに就任。その後2016年にSVホルンの監督に就任、日本人としては初めてのヨーロッパのプロリーグの監督でした。その後は2018年から九州産業大学の監督をしています。

――濵吉監督が指導者を目指したきっかけを教えていただけますでしょうか?

 サッカー少年がプロ選手を目指すように、自分もプロを目指していました。サッカーを始めたのは小学校4年生の時なんですけれども、プロを目指していた中で、指導にも興味を持つようになりました。そんな中でドイツにプロライセンスがあることを知り、「こういう道もあるんだな」と思うようになりました。中学生の頃になると、プロの選手になる夢がダメだったら海外でライセンスを取得したり、海外で監督を務めるのもいいなと漠然と思い始めたのがきっかけです。

 だんだん自分の実力が理解できてきて、大学に入ってからは「選手としては難しいかな」と思い始めた時に、本格的に指導者の道に進もうと決めました。

――濵吉監督が指導者として大切にしていること、心掛けていることなどはありますでしょうか?

 どうやって選手の力を引き出すかが大事だと思っていて、そのために共通理解、集団としてのプレーをどう成立させていくかが重要だと思っています。また選手のストロングを引き出す、活かしていくということも大事だと考えています。

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