九州産業大学サッカー部・濵吉正則監督(写真提供=九州産業大学サッカー部)
九州大学サッカー界の強豪、九州産業大学サッカー部。チームを率いるのはヨーロッパのトップチームでも監督に就任可能な「UEFAプロ」を取得、日本人としては初めてのヨーロッパ・プロリーグの監督を務めた濵吉正則監督だ。ヨーロッパのトップチームでサッカーを学び、Jリーグでもトップチームからアカデミーまで指導経験豊富な濵吉監督に、九州産業大学サッカー部のセールスポイントなどについて話をうかがった。
――九州産業大学サッカー部のセールスポイントはどういったところでしょうか?
カテゴリーごとに指導者も付き、フィジカルコーチなども置きながら、強化サークルという位置付けで全国大会上位進出を目標としています。サッカーを取り巻く環境というところではモダンなサッカースタイルを取り入れながら、ハイレベルなところを目指しています。「上を目指したい」という人にとってはいい環境ではないかなと思っています。
選手に関しても年々伸びていっている選手が多くなってきたり、競争も激しくなっています。選手に対してのサポート体制も充実しています。また「文武両道」も掲げていて、GPAなども年々良くなってきていますし、学業を疎かにしている選手には「サッカーと学業の両立の重要性」ということも常日頃から伝えています。
もちろん選手全員がプロを目指しているわけではないので、いろいろな道、最近言われている「デュアルキャリア」など、その部分の教育も充実させています。私自身も昨年「スポーツキャリアコーディネーター」という資格も取得しました。そしてサッカー部内でも企画や広報、総務、審判などさまざまな部署を作り選手たちに各々活動してもらいながら、そういったことを次のキャリアに活かしていけるよう指導をしています。
チャンピオンシップを争ったり、プロ選手を育成していくことも大事なことだと思っていますが、大学内のサークルという位置付けかつ文武両道という中で、選手個々のキャリアをどう形成していくかがいちばん大切なところだと考えています。極端な話、サッカーが上手くても下手でも、一生懸命やるということが重要で、それが人材の育成につながっていると感じています。プロ選手も育成できる、指導者も育成できる、もちろんいち社会人としても育成できる。九州産業大学サッカー部というのは人材育成の場だと思っています。
齊藤諒(いわてグルージャ盛岡)のようにプロになっていく選手が出るのもうれしいですし、卒業後に指導者になっていく選手が出るのもうれしいですし、社会に出て会社でしっかり働いている選手というのもうれしい。九州産業大学サッカー部を巣立って行った選手が、それぞれ活躍してくれるのはやはりうれしいですし、そのベースが九州産業大学サッカー部であってほしいなと思っています。