近大附の山田稔監督も「彼は落とすだけでシュートを打つことは少なかったんですが成長しましたね。この間のハットトリックが自信になって積極的になったんだと思います」とその成長に目を細める。

　その太田のプレーで特徴的なのが、胸を使ってのコントロールの上手さだ。足元で収めることも出来れば、相手がヘディングで競っているにもかかわらず胸トラップで収めてしまう。これによって確実に味方に落とすことも出来れば振り向いて自らシュートを狙う選択も出来る。

　太田は「以前はヘディングで逸らしていたんですが、ヘディングよりも胸トラップの方が収めやすいイメージがあったので、胸トラップの練習を沢山しました」と磨いてきた武器だと話す。

　そのきっかけとなったのが昨年のインターハイ大阪予選準決勝阪南大高戦。「鈴木章斗選手の胸トラップが凄いと感じた」と相手のエースFW鈴木章斗(湘南ベルマーレ)のプレーを見て衝撃を受けた太田は鈴木のプレー集で胸トラップの研究をしたという。その甲斐もあって今では胸トラップを自分の武器にし、新チームではエースの座を射止めた。

　「前で自分が起点になってゴールも決めれば勝てると思うので、得点を取る部分にこだわっていきたい」とチームを引っ張っていく意識も芽生えた太田。今後は「前を向いて自分でもっと仕掛けられるように」と課題としているドリブルを磨いてさらに怖いFWを目指す。「インターハイと選手権で全国に行って、個人的にはプリンスで得点王になれるように」と今年の目標を語った太田に是非注目して欲しい。

　(文＝会田健司)

【太田悠太プロフィール】
所属チーム/近大附
学年/3年
身長/183cm
体重/74kg
ポジション/FW
中学時所属チーム/アイリスFC住吉