その突破力は帝京のDFを困惑させた(写真=多田哲平)
得点以外でも塩貝は圧巻のパフォーマンスを見せていた。相手に囲まれてもボールを失わずに局面を打開できるアジリティとパワー、敵陣深くを鋭く突いて相手の守備陣をキリキリ舞いさせたスピードは、年代トップクラスの水準と言えるものだった。
テクニシャン揃いの國學院久我山において、フィジカルとスピードを前面に押し出すそのプレースタイルは異彩と言える。
「彼は高校年代では注目に値するCFと思いますよ」と評するのは、國學院久我山を率いる李済華監督だ。
「突破力とシュートの強さは、この年代では1個上のレベルかなと。身体も筋肉があって大きくてポストプレーができるし、足元も上手い。私たちのチームにそういう子が現れたのは嬉しいですよ」
もっとも、中学時代は小柄で「全然評価されなかった」と塩貝自身は振り返る。
「でも高校で身長が伸びて、身につけてきた技術にフィジカルという武器がプラスアルファされて良い選手になれるんじゃないかと思った。自分なりにYouTubeとかで『こういうところを鍛えたら足が速くなる』とかを調べたりしてきた。そういうことを全部やってきた。だから1対1では負けない自信がある」
▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選