「ワールドカップで日本が優勝してほしい。そのためには自分がサッカー選手としてやるより、審判として育成年代を支えた方がためになる」。そう口にする工藤は大体大浪商に進学してから、より本格的にレフリーの道を歩み始めた。「選手の気持ちを分からないと試合は成り立たない。試合に付いていく体力も必要なので、選手としての練習が一番トレーニングになる」ため、平日はGKとして選手と同じトレーニングを実施。土日は審判の割り当てがあれば試合に入り、なければ高校の活動に帯同する。
昨年の6月からは大阪府の2部リーグで主審を務めるほか、社会人リーグで副審も担当。昨年12月には2級を取得し、今年1月には高校選抜候補の選考合宿にユース審判として参加した。「ゴールキーパーなのに小学生の頃からなぜかチーム内で一番走れる」と笑う通り、体力が審判としての武器。豊富な運動量でピッチを所せましと動き回る一方、試合展開を読むことを大事にしているという。「一番近くで選手のプレーを見ることができるのが楽しい。予測して動くのですが、自分が思った通りにボールが来た時は嬉しい」。

