とはいえ全国高校選手権での優勝経験があり、日本サッカー殿堂入りした鈴木良三氏をはじめ川上信夫氏、西野朗氏といった元日本代表ら多数のOBがサッカー界で活躍してきた名門だ。この成績では喜べない。

 だが10年目の17年は実りのシーズンとなった。新人大会の8強に続き関東高校大会予選で3位に入ると、インターハイ予選で準優勝し、30年ぶりの夏の晴れ舞台に導いた。秋には第96回全国高校選手権予選で決勝に進み、1-2で惜敗したが昌平を最後まで苦しめた。

 23年に南稜へ異動し、この3月まで勤めた。

 1年ほど前から叡明に誘われたが最初は固辞した。「南稜も頑張っているので裏切って転職することにためらいがあった。でも自分のやりたいこと、面白いことにチャレンジしたくて去年の夏に決断しました」と説明。高校生の頃から闘志を押し出すタイプだったが、熱きハートは指導者になっても変わらない。