それもそのはず。「生きてきて一番キツかった試合でした」と外から観ていると"野辺地西の選手たち充分戦えているな"と思えたが、絶対王者とやり合うということは、普段の試合とは比べようもないくらいのパワーが必要で、それがどれ程のものかも想像が出来ない。この決勝という舞台、この相手が100%以上の力を引き出してくれていたのかもしれない。だから自分たちが成し遂げたことをすぐに実感できないのも無理はない。

 普段からプレミアリーグの強度で戦っている相手に対し、徐々に慣れるのではなく、試合開始からその強度以上のプレーをしなければやられてしまう。頭ではわかっていてもこれを実行するのがどれほど大変なことか。

 「山田さんは前半の15分、特に前に強く来るので、それを跳ね返してというところで。その中で上手く(先制点を)取れたので。取った後、山田さんはもっと来たので、自分たちが相手のセット(プレー)を弾きながらやれたので、一個一個集中が切れるとやられるという、気持ち的にもずっと緊迫していました」

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▽令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)青森予選
令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)青森予選