新人戦で選手たちに芽生えた"意外とやれる"という感覚。この敗戦の中で掴んだ感覚を自分たちの力に変えて試合開始から持っているパワーを全て出し切り、青森山田に挑んだ。

 そしてキツイ状態でも最後までそれをやり続ける。53分にベンチに退いた藤田は「あれ?って思って。もっとみんなをおれが鼓舞すれば、もっとみんなが上って勝てるなと思って、声だけは切らさず、キャプテンとしての相応しい振る舞いができた」とピッチの中にいた時以上に声が枯れるほどイレブンを鼓舞し続けた。

 キャプテンの鼓舞もあり、延長戦も戦い抜いた野辺地西はPK戦で見事に競り勝った。「目で見て勝ったのはわかるんですけど、でもどういう事?って感じで。もう自分でも混乱していました」勝利が決まった瞬間に目の前で起きていることが頭では理解できない。そんな状態だったと明かした藤田。

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▽令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)青森予選
令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)青森予選