強烈なミドル弾を決めた聖和学園MF石澤海陽(写真=小林健志)
その後は聖和学園がボールを支配し、仙台ユースが守る構図になっていく。
仙台ユースはよく耐えていたが、聖和学園は縦への突破力のあるMF石澤海陽(3年)や、クロスボールの精度が高いFW土橋パトリック拓海(3年)らが決定機を作り出し、攻撃の圧をかけていく。
そして試合終了間際の90+1分、左サイドでボールを持った石澤が放った強烈なミドルシュートがゴールに突き刺さった。
このまま試合は終了し、2-2の引き分けに終わった。
聖和学園は前後半両方の入りで、同じような形で先に失点してしまったが、その後ドリブル技術をいかんなく発揮して立て直し、ボールを支配して同点に追いつくことができた。
加見成司監督は「この代は技術的に高いわけでもありませんが、文句も言わずに頑張って、諦めず泥臭く戦いました。そこが今年の良さです」と、失点しても粘り強く戦うメンタリティに手応えを感じていた。
今後の課題として藤田は「相手が引いた中サイドから攻撃できましたが、真ん中からも攻撃したい」と聖和学園らしく、中央を固めた相手をこじ開けたいと意欲を見せた。石澤も「攻撃陣がもっと点を取ってDFを安心させられるようにしたい」とさらに攻撃面を高めたいという。
一方、2度リードしながら追いつかれた仙台ユースの木谷公亮監督は「もう少し自分たちでボールを握ることができれば良かったです。最後守備の時間が長く、耐えきれませんでした」と守備が持ちこたえられなかったことを課題に挙げたが、「全員で攻撃し全員で守るのが形」と、正確なロングフィードで高橋が攻撃の起点となったり、小野やFW中田有祐(3年)などが献身的に守備したりといった、全員が攻守に関わるサッカーを体現できたことはプラスと捉えていた。
ゲームキャプテンのMF小林亮太(3年)も「(高橋)櫂からのロングボールによる攻撃や、前線の(中田)有祐や(小野)獅童がすごく守備をしてくれて、全員で一体感を持ってやれたと思います」と手応えを語った。
また、1ゴール1アシストと存在感を示した山田は「今日2得点に絡むことができましたが、そこで勝たせる選手じゃないとトップに呼ばれません。勝ちきれるか勝ちきれないかでそれが変わってしまうので、勝ちにこだわって結果を残していきたいです」と個人としてだけでなく、チームとしての結果にこだわり、3年ぶりのユースからトップ昇格への意欲を見せていた。
聖和学園はドリブルを生かしたボール保持、仙台ユースはチーム全員が攻守に関わるスタイル。お互いの持ち味が存分に発揮された好ゲームだった。
(文・写真=小林健志)
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