都立大島海洋国際・大島ではMF常川虎太郎(左)が前線で献身的に働いた。反撃の狼煙をあげる得点も(写真=多田哲平)

 しかし後半に流れを引き寄せたのは、ビハインドを負っている都立大島海洋国際・大島だ。FW10常川虎太郎(3年)のポストワークやMF7福士緑(3年)の展開力を活かし、前半にはなかなか見られなかったテンポの良いパスワークで都立拝島ゴールを度々襲う。

 51分には敵陣中央でパスを受けたMF8稲葉悠梧(2年)が際どいシュートを放つ。これは惜しくもGKに阻まれたものの、反撃の兆しを感じさせていく。

 そして73分、福士が蹴ったCKの流れから、再度クロスが放り込まれると、常川が渾身の一撃を決める。都立大島海洋国際・大島が、ついに1点を返した。

 さらに40+1分、福士が強烈なシュートを突き刺して2点目。ついに1点差まで詰め寄ると、その後は全員が積極的に攻め上がって追加点を目指した。

 結局3点目は奪えず敗れた都立大島海洋国際・大島だったが、3点のビハインドから見事に立て直し、同点まであと一歩まで迫ったその戦いぶりは素晴らしかった。得点した常川と福士以外にも、トップ下の稲葉は鋭い抜け出しを再三見せ、守備ではDF3柏木輝央(3年)のフィジカルが目を引いた。また途中出場のMF14江南翔(3年)も献身的にアップダウンを繰り返し、攻守に厚みをもたらした。

 そんな都立大島海洋国際・大島の猛追を振り切った都立拝島は、2回戦で都立千歳丘と対戦する。

(文・写真=多田哲平)

▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
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