遠野GK山田凉楓(2年)はピンチの場面でも体を張ったシュートストップを見せた(写真=小林健志)

 後半に入ると、尚志はFW笹生悠太(2年)、U-17日本高校選抜候補FW安斎悠人(2年)を投入し、攻撃のギアを上げた。それでも遠野の畠山は「事前の情報でU-17高校選抜がいるのは分かっていて、後半入って焦りました。でも慣れてきてやれると思いました」と冷静に相手の攻撃をはね返した。

 すると40分、遠野はCKのチャンスを得る。ゴール前で混戦となり、ボールはFW池口遥葵(2年)の下に転がってきた。「みんなでつくったコーナーのチャンスで、MF菊池遥大(2年)が折り返してくれたので感謝したいです。自分でも内心ふかさないようにと緊張しました」と語るシュートが決まり、遠野が先制に成功した。

 しかし尚志もさすがの実力を見せる。45分、MF出来伯琉(2年)のパスを、安斎が左サイドでDFライン背後へ抜け出して受けて、飛び出したGKをかわして無人のゴールにシュートを流し込み、すぐさま同点に追いついた。

 それでも遠野の選手たちは諦めなかった。53分ルーズボールを拾ったのは先制点を奪った池口。「こういう(荒れた)ピッチではドリブルは難しいと思い、あそこから打たないとと思った」というミドルシュートがまたもゴールを突き刺した。貴重な追加点で遠野が再びリードを奪った。

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▽第22回東北高等学校新人サッカー選手権大会
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