遠野FW池口遥葵(2年)は2ゴールを挙げ、勝利に大きく貢献した(写真=小林健志)

 その後尚志は笹生や安斎が再三相手陣内に攻め込むが、あと一歩のところで遠野守備陣を崩せない。このまま試合終了し、2-1で遠野が勝利。1月30日に行われる準決勝学法石川戦に駒を進めた。

 遠野・佐藤邦祥監督は開口一番「頑張りました」と激闘を制した選手たちの労をねぎらった。「尚志とこういう舞台で戦える機会はなかなかありません。持っているものをしっかりぶつけようと試合前選手に話しました」とこの試合に臨ませた佐藤監督。「ボールに触る回数を増やそうと言っていたのですが、そこを存分に出せました」と特に後半得点を挙げてから、自信を持ってボールを持つ時間も増えたことを喜んだ。

 2ゴールを挙げた池口について佐藤監督は「久々に(ゴールを)見ました」とゴールから遠ざかっていたという。スピードが武器で、「ヨーイドンで勝てる選手ですが、タイミングをずらしたりするようにと話はしています。1試合に1本決められるエースになるように言ってます」とさまざまなアドバイスをした成果が一つ形になった。池口自身は「尚志を倒さなければいけなくて、そのためには自分が頑張らないといけないと思っていました。周りが頑張ってくれたので力が入りました」と振り返り、ヒーローとなったことを喜んでいた。「今後も土壇場でゴールを決めて遠高を引っ張っていきたい」とこの試合での活躍を今後につなげようとしていた。

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