ベンチには11番のユニフォーム

 「ゴール前はしっかりみんなで固めて絶対に失点しないようにした」と主将DF8斉藤奏太(かなた)が話せば、檜山監督が「中盤のこの2人がよく頑張ってくれた」と評したMF5古賀侑毅(アンカー)は「チーム全員気持ちで負けなかった」とメンタル面を強調すると、MF10佐原尚樹(トップ下)は「ボールの取りどころで前線から追い、中盤でしっかり回収したことで、(橘の中盤を)自由にさせなかった」と意思統一ができた。

 そして決勝点をあげたFW17徳田。あのゴールシーンは以前、選手間で『なにか違ったパターンを考えよう』と考案され、練習で、実戦で何度も行われため、狙い通りのもの。

 その徳田、きのう学校は文化祭が行われており、そのためか、周囲はどこか気持ちが入っていないように思えたそうだ。しかし徳田は「自分がゴールを決めて勝つイメージは見えていた」と想像通りの活躍だった。

 実は横浜創学館のベンチにはM11F長谷耕平のユニフォームがかけられていた。

 選手の話しによれば、最近、練習中にケガをしてしまったそうで、その彼の分までという思いの表れだった。

 「次の試合はおよそ1カ月後。(ケガが治って)出場できるチャンスが作れて嬉しい」とGK1今井敏貴。

 こうした一体感も横浜創学館の強さかもしれない。

(文・写真=佐藤亮太)

▽第102回全国高校サッカー選手権神奈川予選
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