大谷を中継した後は、いずれ劣らぬ才能豊かな4人のMF陣が、時にリズミカルに時にスピーディーに敵陣を巡回。優れた個の力の集積となる組織力は超高校級といえる。

 昌平は前半15分、FW鄭志鍚(3年)が放った出色のスルーパスにMF三浦悠代(3年)が抜け出し、先制ゴールをものにした。

 80パーセント超と思われるボール占有率で攻め続け、右2列目の山口豪太と左2列目の長瑠喜(ともに2年)が、外から鋭く仕掛けて浦和学院の守備陣に余裕を与えなかった。SBの旺盛な攻め上がりも強みのひとつで、左の上原悠都(3年)も右の安藤愛斗(2年)も効果的なサイドアタックで好機を演出した。

 28分、山口からパスを受けた長の強打は左ポストをたたき、32分に敵ボールを奪った三浦のパスから、山口が放った一撃はバーをなめるように通過していった。圧倒的に攻めながらも、前半は1点しか奪えなかった。

 これには玉田圭司監督も不満のようで、「相手に合わせた戦い方をした前半は内容が良くなかったし、2点目にしてももっと早く取らないといけなかった」とこの二つを課題に挙げた。

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▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選