ハーフタイムを挟むと浦和東の勢いは衰え、対照的に正智深谷が攻勢に出た。

 8分に中島が鹿倉の左クロスから決定的なヘディングシュートを放ったが、バーのわずかに上だった。しかし14分に右サイド20メートル付近でFKを獲得すると、鹿倉が自慢の左足からファーポストの上に見事な軌道を描いたシュートを突き刺し、これが決勝点となった。

 主将のボランチ大和田悠(3年)が、豪胆に攻め上がって3本のシュートを打てば、鹿倉はFKの後にも22分に惜しくも外れた超ロングシュートを放った。26分にはCB岸田永遠(3年)が際どいヘッドで相手ゴールを脅かす。

 一方の浦和東は3本のシュートしか放てず、前半のリズムを出せなかった。それでも37分、石﨑の左ロングスローがゴール前で混戦となり、石﨑が左から上げたクロスを福島がヘッドで右隅に決めて1点差。アディショナルタイムに2度の好機があり、そのうち林の強シュートは得点の可能性もあったが、決められずに惜敗した。

 正智深谷の小島時和監督は「前半はオウンゴールで先制してラッキーだった。その後は押し込まれたが、相手のミスにも助けられて失点なしで終われて良かった」と前半を振り返る。

 ハーフタイムにはサイド攻撃の徹底とマイボールを大切にすることを指示。これが効いたようで、徐々にペースを取り戻した。

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▽第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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