S1リーグ3位の正智深谷は13、18、20、25分にFW赤川空音(3年)の2本をはじめ、MF白岩龍(3年)と鹿倉がいい形から追加点を狙ったが決め切れず、結局虎の子の1点を守り切って4度目の優勝に王手をかけた。  

 ベテランの小島時和監督は「近藤がいないとリズムが悪く、まともに戦っても勝てないので、システムと人の配置を変えた。それにしても粘り強くしのいでくれましたね」とファイトした選手をたたえ、「近藤抜きでも各人が役割を持って戦ってくれた結果です」とうれしそうな語り口で勝因挙げた。  

 本来の4-2-3-1から、この日は3-4-1-2に変更し、本来右SBの外山達也(3年)をボランチで起用するなど、やりくりには相当苦心したそうだ。  

 交代出場ながら前回大会も経験している守備ラインの要人、佐藤はかの絶体絶命の場面を聞かれると「1本目はたまたまですが、2本目のシュートは何が何でも止めようと必死でした。これまでチームに迷惑をかけてきたので、どうしても貢献したかった」と男気を見せた。  

 8年ぶりのファイナルについて小島監督は「うちは挑戦者なので1戦必勝の覚悟で戦うだけ。厳しい試合になると思うが、チャレンジャー精神でぶつかっていきたい」と抱負を述べて締めくくった。  

(写真・文=河野正)

▽第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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