10分ハーフの延長も、双方が攻め合う展開ながら決定的な場面は訪れず前半を終了。後半に入ってセカンドボール争いでも優位に立った大津が押し込むが、立て続けに得たリスタートのチャンスでシュートまで持ち込みながら、ゴールを割れないまま時間が進み、このままPK戦かと思われた。しかしアディショナルタイムの100+2分、大津はラストプレーの右コーナーにDF松野が合わせてネットを揺らし逆転。劇的な決勝ゴールを奪った大津が連覇を飾った。

 「星翔さんは完成度が高く、分が悪いと思っていたので、勝敗に関わらずアグレッシブに、自分たちの良さを出せるよう、のびのびプレーするよう伝えていた。もったいない形で失点したが、同じような形で取り返せたのはお互い様というところ。80分で仕留めたかったが、相手の力を考えると、ポジティブに捉えていいゲーム」と、大津の山城朋大監督。自身のミスから先制を許したものの、それを埋める決勝点を挙げた松野は、「延長に入って自分のマーカーの選手が変わり、高さの面で余裕を持って合わせ、枠に入れることができてよかった。練習でもやっていた入り方や、マークの外し方が試合でも出せた」と、安堵の表情。高円宮杯 JFA U18サッカープレミアリーグFINALを制して初めて高校年代日本一に輝いた昨年のチームから主力が卒業するが、「新年度の3年生も才能のある学年なので、こういう試合を繰り返す中で競争しながら、今回メンバー入りできなかった選手も刺激を受けてやってくれたら」と山城監督が話すように、昨年を上回る結果に期待がかかる。

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▽令和6年度熊本新人戦(新人選手権大会)
令和6年度熊本新人戦(新人選手権大会)