しかし、試合後、日大藤沢の選手たちと佐藤監督の口から最も熱を帯びて語られたのは、「勝利」や「技術」といった言葉よりも、「社会性」と「人間力」だった。
佐藤監督は、有川選手の負傷や、この春、卒業し、U-20ワールドカップで緊急の追加招集ながら活躍を見せた布施克真選手(筑波大)のエピソードなどを交えながら、選手たちに熱く語りかける。「サッカーだけ上手ければいいとか、勝ってるからいいんじゃなくて、じゃあ自分たちがどうやったらチームに対して通用するのか、組織に入ってどうやったら社会に通用するのかっていうことを考えなきゃいけない」。さらに「今の世の中はサッカーと社会がイコールだ」と断言し、「たとえいい選手だとしても、社会性を持ってない選手だけでは勝てない」という、自身の18年間の指導経験から得た信念を共有した。
キャプテンの橋本(友)も、チームの課題として「試合の締め方」を挙げ、「交代選手が入ってきてからちょっとずつ、前半できてたことができなくなったり、ちょっとずつ緩みが出てきた」と反省。そして、榎本も「守備の部分は少し甘い部分あったので、やっぱりそこはもう1つも許してはいけない」と、最後まで集中を切らさないことの重要性を強調した。これは、8点差という結果に満足せず、日本一という高みを目指すチームとしての「厳しさ」であり、社会に出てからも求められる「プロ意識」にも通じるものだ。
▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選

