桐光学園 vs 慶應義塾

 序盤から桐光学園がペースを握る。4分、DF2武山陽介の左サイドからのロングスローのセカンドボールにキャプテンのFW10倉持慶太が飛び込んでネットを揺らしたが、判定はオフサイド。このプレーに関わったDF5陶山響は「入りがすごくよくて、ああいうところで決めきれたらもっと楽なゲームになった」と振り返る。この一本が決まっていれば、試合の流れは大きく変わっていたかもしれない。「逆にその1つのミスで試合の流れを変えてしまうということがあるので、今日1つ選手権の難しさをみんな知ることができた」。高校生たちが肌で感じた、トーナメント戦の厳しさだった。

 桐光のハイラインとハイプレスに苦しむ慶應義塾だったが、18分のカウンターから流れが変わり始める。桐光GK1斎藤准也のビルドアップを突く形で慶應のMF18青木寛将がボールをかっさらい、そのままシュートへ。ここは斎藤が横っ飛びでリカバリーしたものの、本人は「ビルドアップの時の連携ミス。そういったところで流れが相手に渡ったり、自分たちの流れがつかめなかったりした」と悔しさをにじませた。これを機に徐々に慶應ペースとなった試合は膠着するが、双方ともにネットを揺らすことはできず、前半はスコアレスで折り返す。

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▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選