「80分の中に選手権というものを凝縮して経験した1試合だった」と鈴木監督が総括したように、この試合には高校サッカーの難しさが詰まっていた。フィジカルは成長を遂げても、メンタル面ではまだ未成熟な高校生たち。「自分たちより相手がテンション高くやってる部分もあって、もっと自分たちでいいポジティブな声かけして、雰囲気から相手を圧倒していかなきゃいけなかった」とキャプテンの倉持が語るように、雰囲気に飲まれかけた場面もあった。

 しかし、「この初戦を乗り越えたということが、次への1歩に繋がっていく」と鈴木監督が語るように、勝ちながら課題を見つけられたことは大きい。武山は「やっぱり去年経験させてもらってる自分たちは中心になってなきゃいけない」と責任感を口にし、陶山も「去年の経験もある中で、チーム全体を見て、ミスした選手がいたら励ましたり、そういうチームの雰囲気作りも自分がやる役割の1つ」と、チームをまとめる決意を新たにした。

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▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選