後半に入ると43分、桐光のMF8松岡奏友が左サイドの陶山のクロスからのこぼれ球を狙うも枠外。そして、この頃から雨が降り出すと、それを合図にするかのように慶應義塾の出足がさらに良くなり、試合はさらに膠着の様相を呈する。0-0のまま時間だけが過ぎていく展開に、ピッチ上の選手たちの焦りも募っていく。

 均衡を破ったのは55分だった。右サイドからのMF7宇留江生叶のクロスに、逆サイドから陶山が飛び込み、左足で流し込んだ。「点がなかなか入らない状態で、やっぱ自分が1発入れてやるっていうのはずっと狙ってた」。ファーサイドへのクロスに完璧なタイミングで走り込んだ陶山は、「ハーフタイムにカツさん(鈴木監督)が落ち着いて流し込めっていうのをチーム全体に伝えたんで、あんまり力が入らずにしっかり面で捉えてゴールに流し込めた」と冷静に決めた瞬間を振り返った。

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▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
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