ただ、履正社にはこの「10番」がいた。平野直樹監督は直後の60分、2枚交代の1枚としてMF10玉山煌稀(3年)を投入。左サイドに入った玉山は高速ドリブルとダイレクトタッチで履正社にリズムを生み出し、興国に傾きつつあった試合の流れを互角に引き戻す。そして79分、履正社の同点弾は10玉山から生まれることになる。

 左サイドでボールを受けた10玉山はその内側レーンを11鳥山がフリーランをしているのを視野に入れ絶妙のスルーパス。よってスピードを緩めずボールを受けた11鳥山はゴール前約25メートルの位置からコントロールショットを放つと、ボールはゴール右上に突き刺さるスーパーゴール。スタンド全体から驚きの声が沸き立ち、履正社の選手たちはバックスタンドの応援に応えて咆哮した。

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▽第104回全国高校サッカー選手権大阪予選
第104回全国高校サッカー選手権大阪予選