こうして戦前の期待に違わぬ……いや、期待値を超える熱戦は10分ハーフの延長戦に入っても決着は着かず。かくして大阪高校サッカー頂点の座はPK戦によって勝敗を決することになった。

 100分間終了直前にPK戦対策として投入された履正社GK12新宮尋大(2年)と興国GK1岩佐ががっちりと握手をかわして始まったPK戦。ここで輝いたのは昨年同大会準決勝から一年間、この時に備えて鍛えてきた1岩佐の側だった。

 最初のPKを決めたFW7芋縄から「あとは全部任せた」とキャプテンマークを託された1岩佐は履正社2人目のキッカー、3人目のキッカーを連続セーブ。「自分を信じてセーブした」1岩佐はさらに止めれば勝ちの4人目キッカーも見事にストップ。この瞬間、興国は6年ぶり2度目の全国高校サッカー選手権出場切符を手にした。

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▽第104回全国高校サッカー選手権大阪予選
第104回全国高校サッカー選手権大阪予選