ワンタッチプレーなどでボールをよどみなく動かし、3人目の動きで相手の守備を混乱させる場面は武南らしく、80分を通じて攻撃の質を比較すると昌平よりも上だった。

 内野慎一郎監督は「ああいうサッカーを強度の高いチーム(との戦い)で表現したかった。距離間が良かったし、ボールを斜めに入れてからのランニングを早めにやったのが効いていたと思う。練習の成果が出ました」と解説する。

 昌平はタイミングのいいシュートを放ち、絶好のクロスを配給しても、武南の鋭い出足にことごとくつぶされてしまう。

 前半3分と8分の山口の一撃は、いずれも武南の左SB八百川尚輝(2年)にブロックされた。山口は後半12分、左SB古川雄規(2年)からの長いパスに合わせて決定打を放ったが、これもCB倉本健二(3年)の素早い寄せに阻止された。

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▽第104回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第104回全国高校サッカー選手権埼玉予選