徳島市立 vs 徳島北

 思いもよらない形で、国立行きのチケットを掴んだ徳島市立だが、サッカーに携わる人間なら誰しももが望む舞台でプレーできる価値は大きい。河野監督はこう話す。

「国立でプレーするなんてことは絶対にないじゃないですか。プロにならない限り。もちろん勝ち残った国立と開幕戦の国立は違う。ただ、一番先にやるから絶対注目される試合になると思う。いくら選手権に出たとしても、何万人も入るところでできない。国立だったら開幕戦を見に来た人、地元が東京だから開会式を見たついでにと色んなお客さんがいっぱいいると思う。そんな中でプレーできることはなかなかない」

 今年のチームは昨年、一昨年と比べて力がないことを選手自身がよく理解している。「毎試合全力を出さないと勝てないのは分かっているので、準備の姿勢は昨年に比べたら良い」と口にするのは平尾だ。プリンスリーグ四国でもいつも万全の準備を進めて、試合に挑むのが今年の良さと言えるだろう。

 悲願の舞台までの1か月間も、これまで通りと変わらない。「相手のホームだけど自分たちは相手の応援を楽しめるぐらいの準備をしたい。国立で勝つことを目標にやってきたので、勝って先に進むしかない」。そう意気込むのは平尾で、国立での1勝とその先を見据えて、万全の準備を進めていく。

(文・写真=森田将義)

▽第104回全国高校サッカー選手権徳島予選
第104回全国高校サッカー選手権徳島予選