FW吉倉昇空（富山第一／3年）写真＝森田将義

FW吉倉昇空（富山第一／3年）　元日本代表のFW柳沢敦を筆頭に中島裕希（FC町田ゼルビア）、西村拓馬（ベガルタ仙台）とJリーグで活躍するストライカーを輩出してきた富山第一には今年も楽しみな選手がいる。それは、背番号10を背負う吉倉だ。特徴は、スラリとしたスタイルが印象的なFWで前向きでボールを持つとドリブルとパスを巧みに使い分け、ゴールに向かう動き。大塚一朗監督も「動きがしなやかで、ボールタッチも柔らかい」と能力を認めており、今後の活躍次第では先陣たちに続く可能性は十分にある。

　中学時代に所属したカターレ富山U-15では中盤でプレーしたが、高1の秋以降にFWへとコンバート。「点数を獲れる選手になりたかった」彼にとっては理想的なポジションで、すぐさま頭角を現した。下級生のうちから上級生に混じってプレーするのは簡単ではなく、当たり負けする機会も多かったが、「高校サッカーはテクニック以上にフィジカルが大事。まだ線は細いけど身体を張らなければいけないと思った」と成長の糧に変えた。高校に入学してから、身長が10cm近くアップ。以前は興味がなかったという筋トレに取り組んだ結果、選手としての魅力は格段に増している。

　昨年は夏のインターハイ予選はメンバー外だったが、全国大会ではメンバー入り。秋以降は先輩FWの怪我もあり、先発での出場機会を増やし、自信を掴みつつある。昨年までは先輩への遠慮も見られたが、最終学年を迎えた今年はエースとしての自覚と責任感が出ているのも材料だ。あとはチームを勝利に導く活躍ができるようになれば、ブレークの可能性が高くなるだろう。