帝京長岡イレブン

 勝負のポイントは、帝京長岡の攻撃力を山梨学院がどう抑えるかだ。

 1月9日に全国高校サッカー選手権の準決勝が埼玉スタジアムで行われる。第1試合は2年連続でベスト4入りを果たした帝京長岡と2009年の選手権覇者で2018年度にインターハイを制した山梨学院高等学校が顔を合わせる。

 帝京長岡は谷内田哲平(京都)、晴山岬(町田)らを擁した昨年とは異なり、個人技で打開できるわけではない。だが、攻撃陣のスキルは今大会屈指で組織力だけを見れば昨年以上。最前線のFW葛岡孝大(3年)、トップ下の廣井蘭人(1年)を軸に展開する流動的な崩しは迫力満点で、3回戦の負傷で準々決勝を欠場した石原波輝(3年)が2トップの一角に復帰できれば攻撃力は更に増す。また、今年は前線からのハイプレスを取り入れ、高い位置から仕掛けるショートカウンターも武器として持つ。市立船橋との準々決勝では狙い通りの形で攻め込んで2得点を挙げた。準決勝でも速攻と遅攻を使い分けながら攻撃を展開できれば、初の決勝進出も現実味を帯びてくる。中盤の底で攻守の要となるキャプテンの川上航立(3年)を中心にまとまり、自慢の攻撃力を発揮できるか注目だ。

 一方の山梨学院は前線からのハイプレスと最終ラインのタフな守りが最大の武器。2トップが相手DFを追い回すと、中盤の選手もそれに呼応してパスコースを切りにいく。それでもボールを前に運ばれれば、盤石の最終ラインが体を張った守備で応戦する。準々決勝の昌平戦は狙い通りの守備で封殺。プロ内定者4人を擁する優勝候補に決定機をほとんど作らせず、1-0で勝利を手にした。守備のキーマンはキャプテンのGK熊倉匠とCB一瀬大寿の3年生コンビ。前者は強烈なリーダーシップとシュートストップ、後者はエアバトルの強さが最大の武器。前線からプレスを掛けながら、中盤より後ろは彼らを軸に守る。守備で主導権を握り、攻撃では速攻とセットプレーでゴールを狙う。このパターンで自分たちのペースに持ち込めれば、勝機を広げることができるはずだ。

▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権