
値千金のゴールを決めた山本真澄
後半はチーム全体の攻撃意識がさらに高まり、DF津川暢彰とMF黒木利樹が左サイドから崩してクロスを入れ、こぼれたボールを逆サイドのMF藤井慎之輔やMF小栗和也が拾って二次攻撃、三次攻撃を仕掛けたものの、シュートが相手GKの正面を突いたり、枠に嫌われたりと、どうしても得点を奪うことができない。
小山哲司監督は後半21分、FW浜田幸織に代えて「ものすごく走れる選手」という1年生FW木村涼を投入した。彼にとってはこれがデビュー戦だったが、「自分が入ったことで流れを変えて、できるだけ早く先制点を奪いたいと思いながらプレーした」と本人が振り返ったように、投入直後からロングパスをMF黒木利樹に通したり、自らドリブルシュートを放って相手GKを脅かしたりと、溌剌としたプレーでリズムを作り、停滞していた試合を一気に活性化させていく。後半36分にはMF黒木利樹に代えてFW山本真澄を投入し、田中崚平をワンボランチ、右サイドハーフに木村涼、トップ下に小栗和也、左サイドに藤井慎之輔、そして井之元和幸と山本真澄の2トップという布陣で最後の勝負を仕掛ける。
これが功を奏したのは後半41分だった。ペナルティーエリアのわずかに外でこぼれ球を拾ったFW山本真澄が思い切りよく右足を振り抜くと、ボールはGKの手をかすめてゴールネットに吸い込まれていった。「いい感じで前を向けました。シュート自体はきれいなものではなかったですけど、うまく枠に行ってくれました」という値千金のゴールに続き、後半45分にはMF小栗和也の右からのクロスにFW井之元和之が飛び込み、相手DFのオウンゴールを誘った。この日、チーム最多となる6本のシュートを放ちながらも無得点に終わったFW井之元和之だったが、最後まで諦めずに走り続ける姿勢が追加点を呼び込んだ。
苦しみながらも2対0で江戸川大を下し、これで開幕3連勝。3試合を無失点で切り抜けたことについて、小山哲司監督は「GKを含め、みんなよく守ってくれている」と評価した。この日も大野嵩仁と廣瀬智行の長身センターバックコンビが相手の攻撃をことごとく跳ね返し、キャプテンマークを巻いて出場したGK平山優樹も、守備機会の少ない中で最後まで集中力を切らさず、冷静なプレーで勝利に貢献した。また、監督は3試合の収穫として真っ先に「1年生の活躍」を挙げ、「今日の木村にしても、初出場であれだけやってくれるとは思わなかったので嬉しかった」と称賛の言葉を送った。
リーグ戦はこれで2カ月ほど中断となり、6月に第4節が行われる。「もう少し攻守の切り替えを速くしていきたいし、今は主力にケガ人が多いので、早く帰ってきてほしいですね」と、中断期間中の改善ポイントを挙げた小山哲司監督。これらの課題を克服し、1年生の更なる底上げも達成して、6月のリーグ戦再開を待ちたい。
(取材・文・写真=池田敏明)

