気温の高い中、白熱した試合が続いた

 ハームタイムを迎えると、小山監督は選手たちに「びびるな!」と一喝した。
「ヘディングの後はラインを押し上げろ、こわがって足を止めるな!」
 相手のハイプレッシャーに押され気味だったため、ラインがじりじりと後退する状況を改善すべく、監督は最終ラインを勇気をもって前に押し上げることを訴えた。

 迎えた後半、選手たちは積極性を示した。後半3分、徳元の右からのコーナーキックに重行が合わせチャンスを作ると、その1分後には、村下のアーリークロスに井之元が抜け出し、惜しいシュートを放つ。

 この後は、気温の急激な上昇もあり、両チームに疲れが見えてくる。膠着した試合展開が続いたが、後半アディショナルタイム、相手にペナルティーキックを与えてしまう。これを決められ1点差に詰め寄られるも、直後に試合終了のホイッスルが鳴り、逃げ切りに成功した。

 しっかりと決勝進出に駒を進めた城西国際大学だが、小山監督は勝利後も険しい表情を崩すことはなかった。

「前回の対戦では、江戸川大は自陣にブロックを築き、リトリートを徹底していたが、今日は前からラインを高く設定してきていて、対応に苦戦を強いられた。読みが違ったね。前回の相手の戦術を受けて、それに対する練習を重ねてきたが、今日の高い位置からのハイプレスは想定外だった。これは自分のミス。今日の試合は良いお仕置きとなったので、次の試合に向けて、気合いの入るきっかけになったと思う」

 小山監督は江戸川大の戦術変更に苦しんだと語り、今後のチーム向上の糧とすると話していた。一方、2得点と活躍した香川に対しては「復帰戦だったが、うまくやってくれた」と賛辞の言葉を贈った。

 チームを決勝に導いた香川は約1ヶ月振りとなる実戦復帰について語った。
「スタメンで出してもらえたが、90分やれないことは自分でもわかっていた。江戸川戦は毎回苦戦していて、攻めあぐねる展開が多い。特に前半は相手が思った以上にアグレッシブだったので修正にあたふたしたが、交代する前に自分が決めることで楽にできればと思っていた」

 また、香川は2点目について、「Jリーグや海外のサッカーのゴールシーンを見て学んでいることが多い。あの得点は、相手選手の前に入る緩急を意識して生まれたもの。GKの位置は確認できなかったが、ここだというタイミングでシュートを打った」と振り返った。

 次は決勝戦。2得点を決めたこの日の主役は「決勝という舞台で戦う経験がこのチームにはほとんどない。なにより、目前に優勝があるというのは大きな刺激になる。自分を含め、みんな楽しみにしている」と頂上決戦に胸を踊らせた。

 決勝戦は5月17日に行われる。会場はこの日と同じ明海大学グラウンド。キックオフは午後1時30分を予定している。

(取材・文・写真=城福達也)