
チーム4点目のゴールを決めた田中崚平がドリブルで切れ込む
せっかく同点に追いつきながらすぐさま突き放されるという、あってはならない展開に業を煮やす小山監督が後半に向けて打った手は何より「メンタル面の修正」だ。
「こうしろ、ああしろと周りに要求ばかりしていないで、ひとりひとりがもっとやらないといけない。仲間のミスもカバーしてやるんだ、と。そのくらいの気持ちで戦わないといけない。“おまえがやれよ”“おまえがやれよ”の大合唱になっていたので、戦術的なことよりメンタル面の修正が必要だった」と、選手たちのケツを叩いた。
すると、前半とは見違えるほどに活気づく。
後半4分、ボランチの松川翔からの左クロスをセンターバックの安部勇輝がヘッドで叩き込み、2対2の同点。「自分の前に味方がいたけれど、“俺が決めるからどいてくれ!”という思いで競りにいった。前半のCKでやられたところは、相手にうまくブロックされて、マークを外してしまった自分の責任。でも、2対2に追いつくゴールを決められて帳消しにできましたね(笑)」と、胸をなでおろす。
そして後半14分、小栗和也が冷静にPKを決めて、城西国際大が逆転に成功した。「あらかじめける方向を決めていたわけじゃなく、相手GKが早く動くのが見えたので、真ん中にけり込んだ。試合の流れを考えると、大事なPKだったけど、落ち着いて決めることができた」と笑顔を見せつつも厳しい口調でこう続けている。
「今日は本当に立ち上がりが悪くて、いつもの半分以下。最初はトップ下に入っていたけれど、なかなかボールに絡めず、途中からひとつ下がって4-3-3に変更した。少しずつリズムがよくなったと思うけれど、こんな情けない試合をしていたらいけない」
逆転してからの30分あまりは機動性とアイデアにあふれる生き生きとしたサッカーを取り戻し、相手を翻弄するようなシーンが格段に増えた。35分に田中崚平、41分に村下和也が得点を重ね、勝利を確実のものにする。
とはいえ、反省点の多き試合になったのは事実。同じ3点差でも5対2と3対0では随分意味合いが異なるだろう。先制し、追加点を奪い、ダメを押す。終始、試合の主導権を握り、相手に1点も与えない。横浜市立大に敬意を払いながらも城西国際大がプレーオフで目指すべきところはやはり後者だったはずだ。
5月30日からワンランク上の戦いが待っている。苦戦は覚悟のうえだが、「ひと泡吹かせてやる!」と、チームのモチベーションは非常に高い。何かが起こるのではないか、いや、起こせるのではないか。勝利したとはいえ、不本意な内容の試合を見せてしまったあとだけに、逆にそんな期待に胸が膨らむばかりだ。
(取材・文・写真=小室功)

