
集中力を切らさず零封した前川天良
前半は相手のシュートをゼロに抑え、ヒヤリとさせられたのはFW井之元和之が接触プレーで前歯を折ったシーンぐらいだったが、ハーフタイムの小山哲司監督の指示はいつもより長めだった。
「相手のプレスを恐れるな。シンプルにサイドに展開してボランチがフォローすれば、広く空いた相手のサイドを攻めることができる。ボールを早く動かすために、どんなポジションを取ればいいのか考えなさい。それから、みんなで声を掛け合うこと。ミスをしてもいいから、黙ってプレーしないように」
自分たちで考え、声を掛け合いながらプレーする。目標である関東2部昇格を達成するためには、チーム全体の成長が必要だ。小山哲司監督の指示は、それを期待し、促すためのものだった。
城西国際大は後半からMF米澤康太に代えてMF竹本佳を投入し、そのまま右サイドに入れる。開始早々には左サイドを崩され、中央で危険なシュートを打たれたが、GK前川天良が鋭い反応でブロックし、事なきを得る。前半、ほとんどプレー機会がなく、集中力を保つのが難しい状況だったが、2年生守護神は「相手の動きを良く見て反応できました」とこのシーンを振り返った。
後半8分にFW井之元和之をMF田里駿に代えてトップ下に入れ、センターフォワードの位置にMF平野皓巴を上げる。その5分後にはMF平野皓巴のヒールパスから抜け出したFW村下和也が、華麗なフェイントでGKをかわして5点目を奪った。前半は左サイドに入り、再三にわたって豪快な突破を見せていたが、この場面では技術力の高さを見せつけた。
後半23分には、FW村下和也が左サイドからクロスを上げ、中央で待ち受けたFW平野皓巴が胸トラップから左足の強烈なボレーで6点目。FW平野皓巴はこれでお役御免となり、FW浜田幸織と交代する。後半29分には左サイドでこぼれ球を拾ったMF田里駿がミドルレンジから見事なコントロールショットを突き刺し、後半41分にはMF田中崚平が力強いドリブルシュートを叩き込む。「監督からいつも『走れ』と言われているので、チャンスがあれば上がっていくようにしています」という本人の言葉どおり、試合終盤のチャンスを逃さず仕留めた一撃で、8対0の大勝劇を締めくくった。
試合後、小山哲司監督は「緊張していたのか、堅くなっていた。もう少し中盤でうまく動かしたい」と、今後に向けての課題を提示。「(勝ち点差なしで2位につける)中央学院大学との直接対決(第6節)まで取りこぼしせず、一戦ずつ大事に戦っていきたい」というMF田中崚平の言葉が示すように、負けられない戦いが続く。
(取材・文・写真=池田敏明)

