競り合うDF廣瀬智行

 「後半、相手は間違いなく足が止まってくる。自分たちでボールを回せるようになる。でも、足元ばかりでつなごうとしないこと。自分たちがやってきたことを信じて戦いなさい。ここからが勝負だ」。小山哲司監督はハーフタイムにそう檄を飛ばし、最後にこう言って選手たちを送り出した。「楽しんでこい。やりきってこい。負けないためじゃなく、勝つために戦いなさい」

 指揮官のメッセージに応えるように、選手たちは後半も全力で戦った。上原勘七と廣瀬智行のセンターバックコンビは相手のロングボールを跳ね返しつつ、セットプレー時にはターゲットマンとなり、打点の高いヘディングで相手ゴールをこじ開けようと試み続ける。FW井之元和之は相手DFを背負ってつぶれ役を演じ、フォアチェックも怠らない。小山哲司監督の“予言”どおり、セカンドボールを拾って素早い攻撃を仕掛けた時には相手の対応が徐々に遅れるようになり、少しずつ相手ゴールに迫る機会が増えていく。

 後半17分にカウンターからMF田中峻平がドリブルで持ち込み、パスを受けたMF平野皓巴のシュートが惜しくも相手GKに弾かれたシーン、後半29分にMF米澤康太が左サイドで粘り強くキープしてクロスを上げ、FW井之元和之が逆サイドからシュートを狙ったシーン、そして試合終了間際、途中出場のMF小栗和也やFW加藤潤也が相手ゴールを脅かした場面など、チャンスは何度も作った。しかし「決めるべきところを決めないからこういう結果になってしまった」と小山哲司監督が語ったとおり、最後の詰めが甘く、勝ち越し点を奪えないままタイムアップを迎えることとなった。

 他会場で同時刻に行われていた明海大学と中央学院大学の試合は0-2で中央学院大学が勝利し、この結果、勝ち点2ポイント差で中央学院大に首位の座を明け渡してしまった。次週はその中央学院大との直接対決。「2ポイント差だから、直接対決で勝てば順位はひっくり返る」と、小山哲司監督は次節に向けて早くも気持ちを切り替えている。関東2部への昇格をかけた戦いは、いよいよクライマックスを迎える。 (取材・文・写真=池田敏明)