関東一を率いる小野貴裕監督(写真=多田哲平)

 昨年の無念を晴らすためにも負けられない戦いが始まる。

 関東一は昨年度の第100回全国高校サッカー選手権でベスト4に進出しながらも、コロナ陽性者が出たため準決勝を辞退する憂き目にあった。だからこそ今年、再び全国での躍進にかける想いは強い。

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 第101回全国高校サッカー選手権東京予選に向け、小野貴裕監督は力を込めて言う。

 「去年の選手権で味わったものを知っている子たちがいる間にもう1回あそこにいきたいなと。あれから、たんたんと時間は流れていますけど、どんな気持ちになるかはもう一度あの国立の舞台に行ってみないと本当に分からない。そのために選手たちは頑張ってくれていて、1個新しく目標が定まったので、そういう意味で言うと、僕も腹が決まったというか、グッと想うところがあります」

 もちろん選手たちも同じ想いだ。9月23日の2次予選抽選会に代表者として参加したMF田中豪(3年)は「先輩の姿を見ていて、悔しさとか『やりたかっただろうな』と。だからこそ先輩たちの分も頑張りたい。全国のあの舞台に戻りたい思いは一番強い。そのためにもまずは全国に出ることを目標にみんなで頑張っていきたい」と語る。

 59校が2つの代表枠をかけて戦うトーナメントで、関東一はブロックBに入った。4年ぶりの全国切符獲得を目指す駒澤大学高等学校や、T1リーグ(東京1部)で好調をキープする成立学園、古豪・修徳などとしのぎを削る。

 小野監督は「組み合わせが出て、いよいよ始まるなという気持ちになりました。1次予選には自分たちはまだ参加していなかったので、この場(抽選会)に来てみると、やっぱり改めて身が引き締まる思いがありますね」と心境を口にする。

 昨年度まで2年連続の全国出場で、今回は”3年連続”がかかるが、指揮官はいたって冷静だ。「今年も全国にいければ今年の3年生は1年から3年まですべて全国を経験できるわけですから、それはもう組織としては素晴らしいことで、そこにチャレンジできるのは良いことだと思う」と言いつつも、「目の前の1試合を戦ううえで『3年連続』だとかは一切関係ない。結果が残った時に『何年連続』だとか『何回目』とかがあるだけです」と連続記録を強く意識することはない。

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▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選