春は三鴨への依存が強すぎた。対策されれば機能が停止する。その限界が夏に露呈した。そこからフォーメーションを3-4-2-1に変更し、“複数の主役がいるチーム”へと進化した。
「自分が止められたら終わりのチームじゃ勝てない。みんなの役割が決まって、みんなが輝けるようにしたかった。今日の得点シーンはその象徴です」
キャプテンとして背負うものは重い。「嫌でも背負ってしまう」という性格もある。その過程では「1回折れかけた」時期もあったというが、佐藤監督の「お前らしくやればいい。たとえそれで結果が出なくても誰もおまえを責めることはないよ」という人間味ある言葉に救われ、チームのために戦う「キャプテンとしてのやるべきこと」を見出すことで気持ちが割り切れ、再び前に進むことができた。
全国大会について聞かれると、視線はまっすぐ前を向く。「やるからには優勝。まずは初戦に全力でいく。2大会連続の得点王に挑戦できるのは自分だけ。絶対にチャレンジしたい」.。
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▽第104回全国高校サッカー選手権東京予選
第104回全国高校サッカー選手権東京予選