1点を追う昌平は後半投入のMF須藤直輝、MF大和海里の突破力にかけるが、浦和南も全員が粘り強く守って対抗。昌平はアディショナルタイムに原田のコーナーキックからこれまで何度もホットラインを繋いできた関根のヘッドが枠を捉えたが、草野が掻き出してゴールを死守。最後まで集中した守りを見せた浦和南が昌平の猛攻を凌ぎ切り、17年ぶりの栄冠に輝いた。「感無量の一言。夢を見ているようで現実かな、本当に夢を見ているんじゃないかなっていう、そんな想いでしたね」。母校再建を託されて今年で6年目、野崎正治監督が宙を舞った。

まさに「塊」だ。ひとりひとりの力では敵わなくとも、グループ力、集団力で勝ち切った。

序盤から全体をコンパクトに保ちながら集中した守りで相手の攻撃を跳ね返し続けると、先制点を許した後も連続失点は与えず。同点、逆転に繋げた。終盤は昌平の猛攻に遭ったが、先制点の大坂も戻って守備、サイドで相手のキープレーヤーと対峙し続けたDF狩集洸哉はほとんど決定機を与えず、草野は相手の決定機を掻き出し、鹿又は最後までしっかり身体をぶつけて相手の攻撃を阻止した。各々が各々をカバーしあいながら「南高のゴールを守るんだ!」という魂を持って「自分たちが昌平に対してできるマックス」(相馬)で戦って勝利を掴み取った。

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