「まだ同点に追いついただけ。点を決めた選手が落ち着けばみんなも落ち着くし、そこは意識しました」。6月のインターハイ予選決勝ではビハインドから大坂のゴールで同点とした後に2失点を重ねて2ー4で敗退したが、その時の経験も心のどこかにあったのかもしれない。

決勝点の場面は自然に身体が動いた。後半31分、フリーキックの混戦からイーブンのボールがエリア内に落ちると、「お互いのゴール前は南高魂で戻ったらゴールを守るし、相手のゴールだったら点を入れる気持ちしかない。そこは魂で押し込みました」。身体を投げ出すようにして頭でプッシュすると、その魂の一押しを庄司が詰めて逆転。終盤は相手のシュートをスライディングでブロックするなど、自陣のゴール前でも魂のこもったプレーで勝利に貢献した。

準決勝の成徳深谷戦は相手の警戒を受けて自由にプレーできず。その鬱憤を晴らすべく「次の昌平は絶対に2点は決めます」と宣言していたが、1点分の価値があった魂のダイビングヘッドを含めれば“実質”2得点で有言実行。初の全国となったインターハイでは0得点と悔しい結果に終わったが、得点への意識を高めた今大会は少ない決定機の中でしっかりとエースナンバーにふさわしいプレーでチームの優勝に貢献、決勝も常にゴールに一番近い選手であり続けた。自身2度目の全国へ。グティやダビド・シルバのプレーを参考にしているというレフティは「観客も相手も驚くようなパスだったり、ドリブルをして注目されたいですね」と意気込み。1回戦の相手は今夏に敗れた東福岡、さらに同じヤマには尚志、神村学園、前橋育英が名を揃える屈指の組だが、ここを勝ち進んでいくことができれば自ずと注目度も上がっていくはずだ。

【次のページ】 「自分たちのサッカーは通用した