逆転に歓喜の輪が出来る

 リードしている心地を全く感じることのない35分間を戦った城北。先制後は守備に追われる場面が多く追加点に関してはほぼノーチャンス。この1点を守りに行くのか、それとも積極的に追加点を狙いに行くのか、ベンチは難しい選択を求められた。

 そして迎えた後半、やはり人数を掛けて攻撃を繰り出す都立城東とその攻撃に耐えながらカウンターを狙う城北という構図で試合は進む。しかし互いにゴールに迫れず、シュートまで持ち込めない状況でピッチ中央付近での攻防が目立った。

 一進一退、1点リードの城北にとっては当然、このまま逃げ切ることを狙う。前半から相当な運動量が求められていたDFの選手交代を行い、全体的に無理をしない戦い方で後半も折り返しを迎えた。

 一方の1点ビハインド、都立城東はリスクを冒してでも攻めなければならない。するとベンチが動く。これまでCBを務めていた大塚を前線へ上げる、パワープレーと言わんばかりの作戦でゴールを狙うと、閉塞感が漂っていた攻撃が活性化。ゴールに迫る場面が増えると歓喜の瞬間は55分、中盤での競り合いの流れから左サイドを経由し、ゴール前へ迫る。混戦となったところ、FWにポジションを移した大塚が決めて待望の同点ゴール。

 さらに采配的中はこの同点ゴールに留まらない。4分後、左サイドをドリブル突破した佐久間康生が中央へクロスを送ると待っていてのはまたもや大塚。ワントラップから右足を振りぬくとゴールネットを揺らし、これが逆転ゴール。

 まさに攻守で大活躍となった大塚の2ゴールがチームを敗退の危機から救い、さらに2次予選進出に導いた。最後は昨年のリベンジに燃えた城北の反撃を交わした都立城東が2対1で劇的な逆転勝利。勢いそのままに2次予選の戦いに挑む。