先制点後の橘、中央が得点者の木原励(9番)(写真=雨堤俊祐)

 米澤一成監督は「福知山成美の勢いがある厳しい時間帯もあったが、よく後ろが粘ってくれた。この試合でも成長できた部分が大きいなと感じています」と話す一方で「結果として6得点。でも綺麗な形ではないし、相手の守備を崩しきれていない。勝負ごとなので、その中でよく取ってくれたと思うが、まだまだ課題は残ります」と反省点も述べている。

 キャプテンのMF中野晃弥(3年)は「(コロナ禍による自粛期間が明けた後)はじめは試合数が少なく、選手の距離間などが上手くいかない時期もあったけれど、選手権に入ってから一人ひとりの責任や気持ちの部分が付いてきました。全国への切符を勝ち取りたい」と決勝への意気込みを話した。

 一方、敗れた福知山成美の今川宣久監督は「(試合を前後半や飲水タイムで区切った)4つのうち、1つは自分たちがやれると思っていた。ただ、3失点目が痛かった。攻撃を作れなかったけれど、選手はよくやってくれました」と振り返った。推進力のあるFWオリオラ サンデー(2年)を最前線に置いてカウンターから活路を見出そうとするのは準々決勝と変わらないが、この日は中盤のキーマンであるMF八尋ケンジ(3年)をこれまでのボランチではなくトップ下で起用。サンデーを孤立させないよう、彼に近い距離でサポートに付くのが狙いだった。しかし前半は、自陣で懸命に守ってマイボールにしても、相手の素早い切り替えからのプレッシングの前に、八尋やサンデーがいるエリアまでいい形でボールを供給できない。後半開始から八尋をボランチに戻すと最終ラインから中盤へボールを運べるようになり、シュート数も増えたが、ゴールは遠かった。

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▽第99回全国高校サッカー選手権京都予選
第99回全国高校サッカー選手権京都予選