大津 vs 熊本学園大付(写真=井芹貴志)

 後半からピッチに入ったFW一村聖連の個の仕掛けをはじめ、川口をトップへ、さらに中央のMF森田大智を左アウトサイドへ動かす交代など、「近い距離でのプレーが生きる選手の組合せ」(山城監督)によって、コンビネーションでの突破など攻撃にリズムと推進力を高めた大津は64分、左サイドからの日髙のクロスがそのままゴールインしてリードを広げる。さらに5分後の69分には川口のボックス内への仕掛けを起点に、交代出場したMF岩本昌大郎が流し込んで3-0、72分には中央での一村のタメからMF薬師田澪が決め4-0とした。

 試合終盤、中盤でのボール奪取と速い切り替えからFW藤本力翔のゴールで一矢報いた熊本学園大付の厚晴仁監督は、「大津さんとやるときは後半が課題で、選手交代で押し込む場面は作れましたが、自分たちのボールになった時に中盤で収めることができないと厳しい。2点目を失うまでは守備もよくやっていたし、今大会を通じて成長も見られたので、自分たちの時間をもっと長くできるよう、個人、チーム共にもっと成熟させて、高校総体に向けてやり続けていきたい」と話した。

 一方、交代によって質を落とすことなく、同時に攻め方に変化を加えるアレンジの幅も示した大津の山城監督は、「一昨年の選手権の決勝で敗れてから『シュートを打たせない』ことを求めてきましたが、今日は6本くらいシュートを打たれていますし、悪い奪われ方からの1失点は選手たち本人が一番悔しいと思います。決められたくないという思いから距離をあけているところもあるので、やらせないためにもっと詰めることを改善したい」と、秀岳館との準決勝に向けて守備面の修正点を口にしていた。

(文・写真=井芹貴志)

▽令和2年度熊本新人戦(新人選手権大会)
令和2年度熊本新人戦(新人選手権大会)