セットプレーからの序盤の2得点で優位に立った大津が、熊本国府の反撃を2点に抑え、4連覇を達成
2得点を挙げた大津FW9小林俊瑛(写真=井芹貴志)
「令和2年度県下高校サッカー大会」は31日、えがお健康スタジアムで決勝戦を行い、4-2で熊本国府を下した大津が4年連続18回目の優勝を飾った。
「昨日の準決勝ではずっとボールを握っていたが、国府といえば統率の取れた守備が特徴なので、堅いゲームになると予想していた」と大津の山城朋大監督は振り返るが、ゲームは早々に動く。
まず4分、大津は左コーナーキックから森田大智の入れたボールをFW小林俊瑛が合わせて先制すると、さらに6分、再び左サイドのロングスローから小林が合わせ、序盤に2点のリード。しかしこれによって「浮き足立ってしまった」(山城監督)こともあり、その後はボールを保持して左右から攻めながら、熊本国府の守備を崩しきれない展開が続く。
というのも、「攻撃でも積極的にチャレンジしよう」と佐藤光治監督が選手たちに求めた熊本国府が、勇気を持ってラインを高く押し上げ、前からプレッシャーをかけつつ、コンパクトな守備陣形を作ってスペースを埋め、背後へのランニングもオフサイドにかける積極的な守備を継続したからだ。それによって徐々に流れを引き寄せていった熊本国府は前半アディショナルタイムの40+1分、左コーナーキックからのこぼれを拾ったキャプテンの大村幸輝が仕掛けてPKを獲得。自ら決めて1点差で折り返した。
こうした熊本国府の守備対応に対し、「FWの動き出しで引っかかっていたので、サイドハーフや2列目が斜めに飛び出して背後を取る」(森田大智)ことを意識した大津は、後半から左サイドへポジションを移した森田が57分に得たPKを決め、再び2点差に。
その後、熊本国府は準決勝の鹿本戦と同じく、59分に前線に髙木雄人を送り出し、攻撃時に厚みを増す3-5-2の布陣にシフト。佐藤瑛輝、高山桜介の両ワイドを生かす大きな展開や、山下宗大らのドリブルの仕掛けをシャドーがサポートして攻撃回数を増やし、深い位置でのロングスローやコーナーキックのチャンスを重ねると、68分、左コーナーからDF杉本蓮が落としたボールをMF吉田陸が決め、再び1点差に詰め寄る。
しかし大津はGK佐藤瑠星ら守備陣が3点目を許さず、逆に終了間際の80+1分、交代出場したMF田原瑠衣が左からのボールを仕留めて4点目を奪い、勝ち切った。
「早い時間に2点失い、前半のうちに1点返すことができましたが、自分たちのミスから3点目を与えてしまい、ゲーム展開としても後手になってしまった。2-3まで持ち込んでからの最後の10分、5分で勝負をかけなければいけないところで追加点を奪われるなど、ギアを入れなければいけないところで押し切られたと感じます。ただ、中盤を増やしてセカンドボールが拾えるようになったり、ビルドアップが明確になるなど、対等にできる部分も見えてきているので、九州大会での経験をプラスにして、今後につなげていきたい」と、熊本国府の佐藤監督。
▽令和2年度熊本新人戦(新人選手権大会)
令和2年度熊本新人戦(新人選手権大会)