盛岡商DF西村映瑠は左サイドで粘り強い守備対応を見せ、試合終了間際には決勝ゴールを決めた(写真=小林健志)

 今年の盛岡商はとにかくよく声が出ていて、明るい。「昨年が静か過ぎました。今年の3年生は明るい選手が多くて、今日のように追いつかれて気持ちが下がってしまう状況でも勝ち越せます」と中田監督も語る。

 また2ゴールを挙げた2年生の原田も「3年生がすごくチームを鼓舞してくれるのでやりやすいです」と3年生がムードを盛り上げてくれることに感謝していた。さらには決勝ゴールの西村も「昨年はアウェイで雰囲気に呑まれていましたが、今年は雰囲気が良く、雰囲気を良くすることを自分たちも意識しています」と明るい雰囲気を保とうと努力していた。

 「昨年から試合に出ている3年生が多いので、今年は勝負の年です。今日、レギュラーのDF大町陽斗(3年)が出場できませんでしたが、極端に落ちることがなく、例年よりも選手層が厚いので、何枚か選手を入れ替えても大丈夫です。今年こそインターハイ、選手権で全国に行きたいですね」と意気込む中田監督。これで勝点を7として暫定3位に浮上。長らく遠ざかっているインターハイ、選手権の全国出場に向けても明るい材料が増えてきた。

 一方、盛岡商の倍のシュート14本を放ち、2得点を挙げながら試合を落とした聖和学園の加見成司監督は「仙台ユース戦から連係ミスでの失点が続いています。ゲームをこなしながらやらないといけません」と、2試合連続延期となり試合勘が鈍ったこともあって、守備の連係ミスが増えたことを敗因に挙げた。

 また、後半に同点ゴールを挙げた桃原も「2失点目は自分がマークを外したので、個人の責任です。セットプレーからの失点が多く、DFラインの連係でやられるので、話し合って改善できたら」と自身のミスも含め、守備の改善を図ろうとしていた。

 「こういうのがサッカーで、勝負は分かりません。良い薬として次につなげたいです」と加見監督は次節の帝京安積戦への意気込みを語った。

(文・写真=小林健志)

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