九州国際大付vs 筑陽学園(写真=中倉一志)
後半も激しく両チームがぶつかり合う。そんな展開の中、時間の経過とともに際立ったのは九国大付校の堅守だった。左サイドにボールを集める筑陽学園校に対して、常に数的優位を保ってチャンスを与えず。中央では最終ラインをコントロールするキャプテン米山凛とGK與田和也好プレーを連発して堅固な壁を作る。筑陽学園校は山崎遥人が鋭いドリブルで活路を見出そうとするが、九国大付校は1人、2人、3人と囲い込んで反撃の糸口を潰していく。
そして、攻めても、攻めても突破口が見つけられない筑陽学園校の攻撃が一息つくと、その隙を九国大付校は見逃さない。そして勝敗の行方を決定づける次のゴールが九国大付校に生まれる。時間は85分、右サイドを突破した濱田から中央で待つ交代出場の山本悠太へとボールがわたる。山本はボールをひとつ、ふたつつついて右足を振り抜いてゴールネットを揺らした。
ボール支配率なら筑陽学園校。プレーエリアも多くの時間を九国大付校陣内で過ごした。攻め続けていたのは間違いなく筑陽学園校だった。だが九国大付校も譲らなかった。ピッチに立つ全員がそれぞれのタスクを確実にこなし、全員が献身的にハードワークに徹した。押し込まれているように見えた試合も守備で主導権を握っていたのは九国大付校。守備力が攻撃力を制した一戦だった。
(文・写真=中倉一志)
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