東農大一のキャプテンMF佐藤明信(右)は運動量豊富に攻守に奔走(写真=多田哲平)

 それでも49分に、敵陣中央からのDF4熊谷慈玖(2年)の豪快なシュートで同点とすると、ここから息を吹き返し、サイドアタックが活性化。59分に大村から田中のシュートへつなげ、76分には右サイドからのクロスに途中出場のFW10片倉瑠斗(3年)が惜しいヘディングシュートを放っていった。

 守っては熊谷とDF2大川翔(2年)のCBコンビが素早いカバーリングを見せて、東農大一の攻撃陣をゴールに近づけない。

 しかし80+1分の右からのクロスに合わせた片倉瑠斗のシュートもわずかに枠を外れ、結局前後半の80分で決着をつけられず。勝負は延長戦へともつれこんだ。

 値千金の勝ち越し点が生まれたのは、89分だった。またも右サイドを突破した大村からグラウンダーのクロスが供給されると、これに合わせて田中が放った痛烈なミドルシュートがゴール右に突き刺さる。ついに都立片倉は逆転に成功する。

 そして延長後半は相手の攻撃をシャットアウトし、激闘に終止符。見事に2回戦突破を果たした都立片倉は、國學院久我山が待つ3回戦への挑戦権を手にした。

 かたや惜しくも敗れた東農大一も3年生が少ないなかで粘り強さを見せた。MF8佐藤明信(3年)や菅谷は運動量豊富にピッチを奔走して攻守に働き、DF3大江翔(3年)は守備ブロックを堅実に統率。GK1米川和輝(2年)は76分にビッグセーブで決定機を防ぎ、途中出場のFW22清田尋斗(3年)は最後まで相手の背後を狙い続けた。

(文・写真=多田哲平)

▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選